
短納期×高精度を両立した事例
お客さまの課題
AI開発が進む中で、「アノテーション品質」への要求は年々高まっています。
今回ご相談いただいたお客さまも例外ではなく、以下のような事情を抱えていました。
- 数100時間に及ぶ会話の全文起こし+タイムコード付与
- タイムコード誤差は数10ミリ秒以内という厳密な仕様
- 発話の言いよどみ・相づちも残す自然発話データでの記録
- 2名の話者を正確に分離
- 納期は2ヵ月弱
これらの作業を、社内リソースだけでこなすのは現実的ではなく、「短期間で、一定以上の精度を担保できる外注先」の確保が急務となっていました。
東京反訳を選んだ理由
複数の業者を比較される中で、お客さまはWebにて当社の実績に着目。
「AI学習用の大容量文字起こしに強い」という点が、信頼の決め手になりました。
最終的に「納期・品質・体制のすべてに対応できるのは東京反訳だけ」との理由から、相見積もりを打ち切り、当社に一本化いただきました。
プロジェクト体制と当社対応のポイント
1.キックオフミーティング(お客さま×当社)
- オンライン会議で仕様・納品形式をすり合わせ
- 会話分析で実績のあるELANを使用し、当社が納品テンプレートを作成
- サンプルや完成イメージが不明確な部分も、当社が資料を準備してイメージを明確化
オンラインにてキックオフ会議を開催し、タイムコードやその他仕様を合意。続いて、会話分析用の標準ツールとして ELAN を採用し、当社側で納品テンプレートを試作しました。まだこの段階ではサンプル音声や完成イメージが未確定状態だったため、当社が例示資料を用意して仕様を固めました。
2.経験者によるプロジェクト編成
- 会話分析作業経験者6名をアサイン、そのうち1名をアノテーションリーダーに
- 1週間で作業手順・工数を明文化
- ELANの操作講習会(実演+動画アーカイブ)を実施
- 相談用グループチャットを設置し、対応スピードと認識の均一化を実現
作業チームとして会話分析用文字起こしの経験が豊富なアノテーター 6 名を配置し、そのうち 1 名をアノテーションリーダーに据えて仕様書をプロジェクトリーダーと共同作成しました。テスト音声による試験を実施し、全体工数や作業漏れしやすい箇所の確認を行い、依頼から 1 週間でフローを整備。
アノテーション作業におけるELANに関する共通理解を深め、作業のばらつきを防ぐために、アノテーターの再教育を実施しました。その一環として、ELANの操作方法や理解を共有する実演・講習会を開催し、参加できなかったメンバーのために動画アーカイブも用意しました。さらに質問相談用グループチャットを開設し、プロジェクトリーダー、アノテーションリーダー、アノテーターの双方向コミュニケーションによるフォロー体制を整え、全員が同じ認識で作業を進められるようにしました。

3.作業ワークフローと納品管理
- 音声ファイルを順次受領し、「タイムコード挿入 → 起こし → 検証 → 納品」を並行で実施
- 音声送付の遅延が発生しても、内部体制の工夫により納期は一切ブレず
- 検証工程は別の担当者2名でチェックし、品質担保を徹底
音声ファイルは数100件から成り、録音データの送付が想定よりも遅れる場面もありましたが、チーム内でタイムコード挿入・文字起こし・検証を常に並行して進行する体制を構築していたため、完成データは順次(ローリング方式で)納品することが可能でした。検証作業は別の担当者2名が行い、起こし漏れやタイムコードの誤差を厳密に確認することで、データの品質を確実に担保しました。
成果とその後の広がり
精度と納期厳守の実績が評価され、
- 無音区間による分割ルール
- 特定記号の除去・タグの指定
など、追加仕様にも継続的に対応するパートナーとしてご信頼をいただいています。
担当者コメント
高精度なタイムコードの付与と短納期の両立には、専用ツールの利用+熟練人材の両輪が不可欠です。
仕様が完全に固まっていない段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
丁寧なヒアリングを通じて、そのままAI学習に使えるデータを最適な形でお届けいたします。
(AI学習用文字起こしサービス プロジェクトリーダー 水上)
- 初期検討段階でのご相談も歓迎しております。
- 仕様が未確定でも、ヒアリングを通じてご提案可能です。
- 小ロットや試験的なご依頼にも対応いたします。
- 研究費・助成金のご予算・スケジュールに沿ったご提案が可能です。
- 業務提携、協業のご相談をお受けしております。