「逐語録」とは、発言の一言一句を正確に漏らさずそのまま記録された文章のことを指します。
「逐語」という言葉は「一語一語、すべての言葉を逐一」という意味を持ちます。例えば、外国語の翻訳において単語の一つ一つを忠実に訳す「逐語訳(逐次訳)」は、原文どおりの正確さを追及する一方で、日本語としての文法や読みやすさは度外視します(例:「私は 食べた 朝食を 家で」)。逐語録も同様に、発言の正確な再現を目的とします。
逐語録は文字起こし・テープ起こしにおける「素起こし(ケバや相づち、発言の重なり部分、言いよどみなどもそのまま記録する方法のこと)」と似ていますが、場合によっては沈黙の秒数なども記録するため素起こしよりも再現性が高まります。
逐語録は、主に以下の2つの分野で活用されています。
逐語録は、医学や社会学、看護学などの分野で行われる質的研究において重要な役割を果たします。
話し手の発言内容だけでなく、沈黙の秒数や相づち、発言の重なり、言いよどみなどの要素も記録することで、会話の流れや構造をより深く分析することが可能です。
※質的研究向けの逐語録作成については、会話分析用文字起こしサービスをご覧ください。
逐語録は、裁判所や調停での証拠資料として使用されることがあります。当事者が、録音した音声を証拠として提出する逐語録は「反訳書」と呼ばれます。また、裁判所が作成する裁判所での口頭弁論等の詳細な記録は、「逐語調書」と呼ばれます。
※反訳書の作成代行については、裁判法廷用文字起こしサービスをご覧ください。
※東京反訳の「裁判法廷用文字起こしサービス」では、ケバはそのまま書き起こしますが、発言の重なりや沈黙秒数の記録は行っておりません。
※証跡用としての利用で反訳書が不要な場合は、日本語文字起こしサービス(ケバ付き)をご利用ください。