第3回 議事録作成で働き方改革|議事録・議事要旨作成を楽にするコツ

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議事録作成のための人材確保が難しい今日

かつて議事録は、その性質上、若手人材の育成を兼ねた業務として位置付けられることが多かったようです。
しかし、少子化や労働の多様化の影響などで、慢性的な人手不足が続く中、若手人材の確保自体が困難になってきています。
また、組織にとって、育成した人材は、より先端的な業務で活用したいという思いもあるでしょう。

特に難易度の高い議事録作成には、専門性、俯瞰的視点、バランス感覚など、総合的な能力が求められます。
ところが、そのような人材ほど、既に他の業務で手一杯となっており、議事録の業務を担ってもらうのは難しい状況かもしれません。
同じく、組織にとって、そのような人材は、より幅広い業務で活躍してほしいという思いもあるでしょう。

加えて、議事録は、平時ではなく有事にこそ存在意義が問われるものです。
にもかかわらず、組織が有事になってから議事録を整えるのでは遅きに失し、また、全社的に対応に追われる中では、議事録以外にも課題が山積しているかもしれません。
やはり、組織にとって、そのような場合は、より緊急度の高い事項にリソースを回したいという思いもあるでしょう。

議事録作成のための人材や時間の確保が年々難しくなる一方、ハラスメントやコンプライアンスなどの観点から、証跡を残していくことの重要性は増している時代。

だからこそ、議事録作成を支える仕組みを整備し、様々なコツを積み重ねながら、会議の改善等も視野に入れつつ、議事録をもう少し楽に作りたいものです。

1 議事録担当部署の改革のコツ:作成過程に皆で関わる

議事録作成はローテーション制にする

議事録作成者を1名に固定せず、複数名でローテーションを組むと良いでしょう。
その場合は、議事録マニュアルを部署内で共有し、いつ誰でも作れる態勢にしておくことが重要です。

マニュアルの中には、従前の運用からの変更点、ローテーションを回す中で散見されるミス、第1回でご紹介した用語集、第2回でご紹介した定型文一覧などを入れておくと良いでしょう。

議事録作成者と、会議の録音担当者や、議事録の下地とする会議中のメモ・テープ起こしの担当者を、全て同一人にしないことも工夫の一つです。
これにより、作成過程の中で、1人が同じ会議を繰り返し聞いたり書いたりする負担をできるだけ減らし、作成者にとっての飽きやマンネリ化を防ぐことが可能になります。
のみならず、録音やメモ、テープ起こしを通じて、各担当者に会議内容が定着しているので、その複数の目線をもって多角的にチェックすれば、議事録の精度も向上するでしょう。

以上から、議事録作成についてのみならず、録音・メモ・テープ起こしを含め、議事録作成に必要な各過程や関連業務の全体についてローテーションを組むのも一方法です。

関係部署のチェックで齟齬や漏れを防ぐ

専門性が求められる議案や、経緯が複雑な議案などは、議案を担当する部門のチェックを経ると確実です。
あるいは逆に、各議案について各担当部門のほうで議事録の下書きを作成し、それを議事録担当の部署が取りまとめる仕組みにすると、作成の負担をより分散させることができ、一層の効率化を図れます。

特に法令上作成義務のある議事録や、外部への公表が予定されている議事録では、上長のチェックに加え、法務部門によるチェックも必ず経ましょう。
議事録は会議の「証拠」であり、法務部門が有事をも想定した逆算的な視点を提供することで、証拠づくりがより強固なものとなります。

2 会議自体の改革のコツ:運営改善・負担分散

会議時間を遵守してもらう

要点が押さえられ、よく整理された会議であれば、議事録作成の時間短縮や労力削減にもなるでしょう。

当該議案について既に会議構成員の間で認識が共有できており、会議冒頭での再度の説明が不要であれば、資料をもって説明に代えることも可能です。
会議を予定どおり進めるには、議案ごとの時間を細かく割当て、説明者や担当部署と共に、時間遵守に向けて協力し合うのも一案です。
特に議論の白熱が見込まれる議案は、その分別の議案の時間を短縮する、あるいは、予定していた会議の一部を、別の日に改めて行うことも検討しましょう。

連携を円滑にする

説明者や各担当部署においては、他の会議構成員にとっても分かりやすい説明資料を準備しておくと、議論の円滑化につながります。
できれば、議事録にも引用しうる資料が望ましいです。
事前に資料を確認しておき、不明点があれば、予め説明者や担当部署と調整を図っておくことが肝要です。
特に複数の部署の連携を要する議案では、部署間での齟齬が発生しないように、事前に十分連携しておきましょう。

議事録から、会議運営の効率化のヒントが見つかることもあります。
過去の議事録を読み、議事録作成を重ねる中で、作成者たちも会議体を連続的に捉える視点、担当部署や説明者、議案の傾向を掴めてくるようになります。
作成者たちの貴重な意見を積極的に集め、運営改善のための提言や実践に活かすことで、議事録を作りやすい環境づくりや、議事録を作れる人材づくりに発展していくでしょう。

議事録改革こそ、働き方改革の第一歩

「議事録の負担が少ない会議」「会議の負担が少ない組織」といった発想を大事にすることも、終わりなき議事録業務に希望を見出すコツかもしれません。

どのような業務であっても、みんなを活かし合い、みんなで協力し合える組織づくりこそ、表面的な残業制限や休日増だけでは為し難い、真の働き方改革です。
その一環として、議事録という苦行を、部署一丸となって、さらに部署を越えて組織全体で連携し、時には専門業者の協力も得ながら、乗り越えていきませんか。

専門業者には、録音やテープ起こし、議事録作成までをワンストップで依頼することも可能です。




議事録作成サービスを依頼する際は、過去回の議事録の見本や資料などを用意し、それが難しい場合には、実際の会議を模した原稿や資料を簡単に作成し、業者へ提供すると、業者との連携も円滑に進むでしょう。




このコラムが、議事録作成という業務や、議事録作成を担う部署、議事録作成対象となる会議、ひいては議事録の悩みを抱える全ての組織にとって、もう少し楽になることの一助になりますように・・・。

公開日:2020.5.21