文字起こし・テープ起こし原稿を作成する際、音としては聞き取れても漢字やスペルなどを確定できない単語や文章がある場合は、その部分を〓(ゲタ)と呼ばれる記号で囲みます。
文字起こし作業者は、言葉、漢字などの基礎知識、文字起こしに関する技術は当然持っていますが、文字起こし対象の会議や講演などに関する情報は持っていない場合がほとんどです。仮にある会議が開かれたとして、その出席者には会議を進めるための予備知識や何らかの知見が共有されているはずですが、部外者である文字起こし作業者にはそれがありません。
そのため言葉は聞き取れても、どうしても漢字などが確定できない単語や文章が発生する場合があります。特定できない場合には何度も聞き直して確認しますが、専門的で特殊な用語や関係者でしか理解できない単語などが出てきた場合、検索しても正しい単語を確定できないこともあります。このように、音としては聞き取れても漢字やスペルなどが確定できない場合は、〓(ゲタ)と呼ばれる記号でその部分を囲みます。例えば、音として「こうてい」という言葉が聞き取れても、「工程」なのか、または「肯定」なのか判断できない場合は「〓コウテイ〓」と記します。
この表記の方法は文字起こし作業者や業者によって異なり、*(アスタリスク)や別の記号で囲む場合もあります。特定しにくい専門用語や間違った漢字を充てやすい単語については、文字起こし発注の際にそれらの単語一覧や参照用の関連資料をご提供いただけると、原稿の精度が上がります。