テープ起こし・文字起こし用語集

要約ようやく

要約とは、文章の要点を短い文にまとめたものです。サマリー(summary)ともいいます。テープ起こし・文字起こしでの要約は、発言で重要な意味を持つ箇所や要点をピックアップして、簡潔に分かりやすくまとめます。

文字起こし会社によっては、音声データや動画データの文字起こしと同時に、その原稿の要約も依頼できるので、議事録作成用に依頼するなどうまく活用したいものです。

というのも会話や発言など、話し言葉というのは文字に起こすと意外と分量が多く、読むだけで時間を取られてしまうからです。
10分程度のインタビューでもA4用紙で数ページ分ぐらいにはなりますし、大人数での1時間の会議ともなると20~30ページ、もしくはそれ以上になってもおかしくありません。記録に残すという意味ではページ数はいくら増えても構いませんが、内容を端的に把握したい場合に数十ページもの会議録にいちいち目を通すのは得策ではなく、要約の文章があったほうが便利です。

要約を依頼する際は、100文字以内や150文字以内などと文字数を指定したり、「報告書用」や「記事用」などと用途を指定したりすると良いでしょう。
これによって要約の作成者は文体の選択やフォーカスすべき内容が明確になり、作成しやすくなります。これは意外と重要なことで、一口に「要約」といっても何を中心に据えて要約するかで、内容がガラリと変わってしまうからです。

例えばある会議で、全体の論調と対立する意見を持つ出席者が長々と持論を展開したとします。文字起こしの依頼者は本来、この意見を無視したいのに、特に何も要望しないまま議事録作成用にこの会議録の要約を依頼すると、この出席者の意見が要約の主眼に置かれてしまう可能性が高くなります。
こうしたミスマッチを防ぐためには「要約」を何の目的で、どんな文体で、どのぐらいの文字数で作成を希望するか、明確にしておくのが良いでしょう。