テープ起こし・文字起こし用語集

聞き取り不能ききとりふのう

発言者の話し方や録音環境などによって、文字起こし作業者がどうしても内容が聞き取れない部分のことです。
テープ起こし・文字起こし業者の仕様にもよりますが、単語などの短い場合は●(くろまる)、文章のように長い場合は<聞き取り不能>などで表されます。

ICレコーダーなど録音機器の精度改善により音声データの品質は向上しましたが、それでも発言者の滑舌や発言者数の多さ、空調の音を拾ってしまったなどの録音状況により、文字起こし作業者が聞き直す際に、どうしても聞き取れない部分が出てきます。
その場合は無理に推測して単語や文章を補おうとせず、聞き取れない部分は記号などを用いて示します。分からない部分に信頼性の低い文字をあてがうよりも、「ここは聞き取れない部分です」と明示しておく方が正確な原稿といえるでしょう。

文字起こし用に音声を録音する際には、以下の点を留意すると聞き取り不能箇所を減らすことができます。

  • 録音中はマイクやICレコーダーに触れない
  • ポケットなどに入れて録音する際には、布などで包み衣服と擦れないようにする
  • 空調やプロジェクター、パソコンなどからICレコーダーを遠ざける
  • 外の騒音や風の音を遮断するために窓を閉める

一方でプロの文字起こし作業者は音声内の単語を拾えるよう、日頃から知らない言葉を検索したり、新聞や雑誌、テレビ、人との対話などでさまざまな情報に触れたりして、語彙力を上げる努力を欠かさないものです。