複数の人が参加しているインタビューや対談、シンポジウムなどの発言の中の「はい」「うん」「へえ」「ええ」など、相手の話に調子を合わせた短い発語のことを指します。文字起こし・テープ起こしでは、特に意味をなさない「ケバ」として処理されることがほとんどです。
私たちは、自分でも気付かないうちに「ああ」「えー」など相手の話に調子を合わせた短い発語「相づち」を会話の中に多用しています。文字起こしの原稿を作成すると、そのような相づちがいかに多いかがよく分かります。
漫才などを聞いているとボケ役がまくしたてる言葉の一語一語に相方が「うん」「うん」と相づちを打っています。これは漫才に限らず日常会話でも同じで、相づちが相手の次の言葉を促します。仮に「うん」と声に出していなくても、うなずいたり目で反応したりして話をしっかり聞いていることを相手の伝えているわけです。ですから文字起こしをして相づちが可視化されると、その多さに驚くことになります。
ただし「相づち」を全て書き起こすと煩雑な原稿になるため、同意の意味や特殊な事例以外は特に意味をなさない「ケバ」として削除し原稿を作成します。
例えば
「あしたの天気は晴れといわれていますね」「ああ、そうですね」
「あしたはどこかに出掛けますか」「はい、動物園に行く予定です」
という二つの会話文を文字起こしする場合、「ああ」も「はい」もどちらも相づちですが、「ああ」はケバとして削除し、「はい」は前の会話を受けた同意の意味の相づちとして残します。