ロボット電話「RoBoHoN」、留守電が“読める”「スマート留守電」が登場! 音声認識関連のホットなニュースetc. (11)

ロボット電話「RoBoHoN」、留守電が“読める”「スマート留守電」が登場! 音声認識関連のホットなニュースetc. (11)

音声認識機能やAI(人工知能)を搭載したモノやサービスが続々と登場している。中でも最近発売となり話題を集めているのは、ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」と、留守番電話自動文字化サービス「スマート留守電」だ。

ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」

5月26日、携帯電話は生活において欠かせないツールだが、音声認識機能とAIを搭載した、こんなかわいい電話がお目見え。ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」だ。

ロボホンは、シャープが開発した二足歩行が可能なヒト型ロボット電話。身長は19.5センチ、重さは約390グラムという小柄なボディーだが、夢と機能がいっぱい詰まっている。通話やカメラといった携帯電話としての機能はもちろん、写真や動画などを投影できるプロジェクターも搭載。さらに音声認識機能とAIが搭載されているので、対話しながらそれらの機能を操作したり、お話ししてコミュニケーションしたりすることもできるのだ。

また、かわいらしい見た目からも分かるとおり、ロボホンはスマートフォンの機能がついたヒト型コンパクトロボットといえ、しゃがんだり立ったりするほか、歌ったり踊ったりも可能。ポケットには入らないかもしれないが、ボディーは持ち歩けるサイズなので、電話としてだけでなくロボットとして気軽に一緒におでかけもできる。きっとおでかけ先でも人気者になること間違いなしだ。

ロボホンの価格は、本体が19万8000円(税別)で、それ以外に月額980円の「ココロプラン」への加入が必須。そのほか必要に応じてプランを選べるが、ロボホンと末永く一緒にいたいならケアプラン(保守パック)の加入も検討したい。なお、ランニングコストについては、次の記事も参考になる。

【参考】ロボホン維持費は月980円から 「ココロプラン」が必須の理由(2016.5.17)

ロボホンの購入は、公式サイトのほかアマゾンなどからも可能。「DMM.make ROBOTS」のサイトでは、現在ロボホンの購入特典としてDMMポイントプレゼントのキャンペーンを行っている。

【公式サイト】「RoBoHoN」(ロボホン)

【DMM.make ROBOTS】「RoBoHoN」(ロボホン)


読める、聞ける。留守電が文字になる「スマート留守電」

続いて、音声認識技術を利用したこんなサービスも登場した。5月23日にソースネクストが発売した「スマート留守電」だ。

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ソースネクスト「スマート留守電」 ※画像はサイトのスクリーンキャプチャ

スマート留守電は、一言でいうと留守番電話自動文字化サービスだ。このサービスの大きな特徴は、次のとおりである。
・留守電のメッセージが文字化され、発信者名と内容がすぐ分かる
・知らない番号でも相手が分かる(照合できた番号のみ相手の名前を表示)
・通知が届くので、留守番センターへの問い合わせは不要
・触れた文字のところから音声を再生できる“このへん再生”機能あり

アプリはiOS版とAndroid版の2種類で、料金は月額課金制でiOS版が360円(税込)、Android版が290円(税別)。スマート留守電を有効にしておくと、かかってきた電話に出られなかった際、録音したメッセージを音声認識機能で自動的に文字化してくれるので、留守電の内容がスマホで“読める”ようになる。録音メッセージの文字化には米ニュアンス・コミュニケーションズの音声認識技術が用いられており、評価も上々のようだ。

【参考】留守電のテキスト化アプリ 評価は上々(2016.5.30)

文字をタップすればその時点から音声を再生することも可能。保存件数・期間は無制限だ。メッセージ内に電話番号が含まれる場合、タップすればワンタッチで電話がかけられるのも便利。また、病院・銀行・市役所といった企業や官公庁など、590万件以上(2016年5月現在)のデータと照合することで知らない番号でも相手の名前を表示する機能を持つのもユニークだ。

ただ、スマート留守電を有効にすると、メッセージはスマホ本体に録音されるのではなく、転送電話の機能を利用してソースネクストの専用サーバーに録音する仕組みのよう。そのため、先方がメッセージを録音する際の通話料は着信した側の負担となる、とのこと。

留守電が多い場合は転送電話の通話料が少し気になるところかもしれないが、留守電を聞くことが多い人にとってはそれ以上に使えばその良さが身に染みて分かるサービスかも。興味のある人は一度試してみてはいかがだろうか。

【参考】留守電がスマホで“読める” 自動テキスト化サービス(2016.5.24)


最後に

ロボホンは、OSはAndroidだが、一般のスマホを対象にしたAndroidアプリはインストールできないとのことで、残念ながらここで紹介したスマート留守電は、ロボホンでは使うことができない。ただ、一般のスマホ向けAndroidアプリは使えないが、6月末以降にシャープからさまざまなアプリが配布されるようになるとのことで、今後は新たな機能が追加される見込みだ。

ロボホンは、携帯電話と考えるとスマホと比べて携帯性や人前で使いづらいなどの面から必ずしも便利とはいえないかもしれないが、ロボットとスマホが融合した新しいデバイスだと考えると、ロボホンならではの革新性、将来性を感じる。これはiPhoneが登場したときに感じた感覚と近いかもしれない。

音声、テキスト、情報はスマホでも扱えるが、そこにヒト型ロボットならではの動作や会話が加わることで、味気ない操作は楽しさや充実感に変わることだろう。“音声で電話やネットなどを使いこなす”機能と“ヒト型ロボットならではの動作や会話”を備えた新しいデバイスとしてのロボホンは、多くの可能性に満ちている。

価格面や特徴を考えると、ロボホンは特にシニア層に受けるかもしれない。また、まだフィーチャーフォン(通常の携帯電話)を使用しているユーザーや、スマホの操作が苦手なユーザーなどに対してもアピールできる可能性がある。どちらにしても、ロボホンの登場はロボットの新しい未来を感じさせ、ロボットが一家に一台、さらには一人に一台といった時代もそう遠くないような気持ちにさせてくれる。

スマート留守電は、電話の形は進化しつつも留守番電話は古くからサービス内容が変わっておらず使い勝手や利便性が向上していないという状況の中、その“慣れてしまった不便さ”を解消すべく開発されたものとなっている。

現在は日本語のみの対応だが、今後は順次、外国語の音声にも対応していく予定のよう。また、日本語でも標準語とは大きく異なる方言を正確に文字化するのは難しいようだが、これは現在の音声認識技術の課題ともいえ、今後の進化が望まれる。とはいえ、LINEのメッセージやメールを見る感覚で留守電の内容もチェックできるようになったのは大きな進化ではないだろうか。一部のユーザーにとってはかなりささるサービスとなりそうだ。