「面白いものやワクワクするものなど、現在進行(開発)中の音声認識を使ったさまざまなプロジェクトをピックアップして紹介する」
≫無駄にハイテク! 音声認識でお口を狙い撃ちしてくるポップコーン・メカ
これはポップコーンを販売しているアメリカの会社「Popcorn, Indeana」が開発中のプロダクトで「Popinator(ポッピネーター)」というもの。機械に向かって「Pop!(ポップ)」と言うと、上についた旋回式の大砲部分からポップコーンが1つ、声の主の口をめがけて飛んで来るという仕組みだ。
【動画】The Popinator
くだらない。けど、そこがいい。
特筆すべきは「人間の耳と同じサウンドシステムを搭載することにより、声のした方向と距離を瞬時に解析。ポップコーンを飛ばす角度や方角をその都度変化させられる」ということだろう。あなたはお口を開けて待っているだけでOKなのだ。
なお、このプロダクトは「The Popinator Project」として開発中であり、現在販売はされていない。だが、「味やパッケージはいくつも開拓されてきているのにポップコーンの食べ方はずっと同じ。食べ方も変えることでより楽しくなる」という思いのとおり、これが販売されればポップコーン業界に革新が起きることだろう(たぶん)!
The Popinator Project
続いては、こちらのプロジェクトを紹介したい。
≫KIBO ROBOT PROJECT(きぼうロボットプロジェクト)
国際宇宙ステーションに2013年夏から滞在するヒト型コミュニケーションロボットの共同研究「KIBO ROBOT PROJECT(きぼうロボットプロジェクト)」が現在進められている。これは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力のもと、電通、東京大学先端科学技術研究センター、ロボ・ガレージ、トヨタ自動車が進める宇宙開発プロジェクトだ。
【動画】きぼうロボットプロジェクト予告映像
http://www.youtube.com/watch?v=SqMRGqnisGM
コンセプトは「コミュニケーションができるロボットと暮らす未来へ」。高齢者だけでなく生き方の多様化に伴いあらゆる世代において独りで暮らす人が急増している中、その解決の方向性をロボットと人間の新しいインターフェースで見いだしたいという思いが込められ、その大きな目標を持ってこのプロジェクトは進められている。
今年の2月28日にはその未来への希望につながるヒト型コミュニケーションロボット2体の名前が決定したが、これらのロボットには音声認識、自然言語処理、音声(発話)合成、情報通信機能、コミュニケーション動作、顔認識カメラ、記録用カメラなどが搭載され、人とのコミュニケーションを可能とする。この小さな体に「ロボットと人類が共生する未来への希望」が詰まっているのだ。
宇宙用ロボット「KIROBO」(左)と地上用ロボット「MIRATA」(右)。
【詳細】身長:約34cm、全幅:約18cm、奥行き:約15cm。重量:約1,000g。M
発話言語:日本語。主要装備:音声認識、自然言語処理、音声(発話)合成、情報通信機能、コミュニケーション動作、顔認識カメラ、記録用カメラ他
まさにアトムの時代がもうそこまで来ていると感じる、ワクワクさせられるプロジェクトである。
なお、まずは世界で初めてとなる「宇宙における人とロボットとの対話実験」に挑むということで、現在はロボットを宇宙に打ち上げるために必要な審査・実験を引き続き行っており、今春完成予定とのことだ。
【参考】宇宙滞在予定のヒト型コミュニケーションロボットの外観公開、名前も決定
また、余談だが、デアゴスティーニ・ジャパンの組立マガジン週刊「ロビ」(2013年2月19日創刊)では、同ロボットと似たデザインの「ロビ(Robi)」が販売中だ。
ロビは愛くるしい動きや会話を通してヒトの心を和ませてくれる新時代のフレンドリーロボット。約200の言葉を理解し、日常のさまざまなシチュエーションで会話を楽しむことができる。ロボットが家族の一員になるというだけでなく、それを自分で組み立てるというのだから、ワクワクものである。
音声認識ボードは、シャープの会話ができるお掃除ロボ「COCOROBO」などでも使われているレイトロン社製を採用。話すときには口が光り、さらに目の色や身ぶり手ぶりで感情を表現するのもかわいらしい。ロビには複数の性格が用意されていて、性格によって話す言葉も少し変わるようだ。
サイトでは機能の一部を動画で見ることができるので、興味があれば、ぜひ見てみてほしい。特に起き上がるときの「どっこいしょ」が、個人的には大好きだ。