音声からAIが分析や解析をしてくれるサービスはいろいろとあるが、今回は音声からAIが“せりふ”を分析して声優情報を表示してくれる新アプリ、Web会議などで使えば音声からAIが“発話特徴や感情”を解析してポジティブにフィードバックしてくれるサービス、音声からAIが“感情”を分析して結果を表示してくれるサービス、の3つを紹介したい。
【目次】
- アニメ声優検索アプリ「ANIVO|アニボ」~音声からAIが“せりふ”を分析して声優情報を表示~
- Empath発話解析AI「R:EmoTalkie」(リモトーキー)~音声からAIが“発話特徴や感情”を解析、ポジティブにフィードバック~
- User Local「音声感情認識AI」~音声からAIが“感情”を分析して結果を表示~
~音声からAIが“せりふ”を分析して声優情報を表示~
「ANIVO|アニボ」は、アプリに声を聞かせるだけで声優の名前や出演作品などの情報を簡単に素早く取得できる、アニメ声優検索アプリ。リリースは2021年春頃の予定で、現在は事前登録受付中だ。
複雑な設定や料金は必要なく、ユーザーはアプリをインストールし、起動させるだけで、声優の検索が可能になる。さらに動画配信サービスと連携しており、声優に関する情報表示に加えて、動画選択から視聴まで、一切文字を打つことなく完結するよう。このアプリを使えば手間も知識も必要なく「声優から作品を選ぶ」ことが手軽にできるようになるため、ライトユーザーも声優さんに目を向ける機会が増えそうだ。
なお、ITmediaの記事を見ると「スマホにキャラクターのせりふを聞かせると、AIが音声認識技術でテキスト化。ディップが独自に構築した、アニメのせりふを集めたデータベースと照合し、キャラクターの担当声優を検索して表示する」仕組みのようなので、実際の検索ヒット率はせりふデータの蓄積量に左右されそうだ。また、結果を得るにはちゃんとせりふを聞かせるという意識も必要になりそう。実際はどんな感じになるのか、利用できるようになったらぜひ試してみたいと思っている。
本サービスのリリースはもう少し先だが、事前登録しておくとリリース前にサービスを先行利用できるよう。いち早く使いたいという方は、事前登録(TwitterのフォローもしくはLINE友達追加)をしておこう!
- ※「ANIVO|アニボ」は開発中のためリリース時は内容が異なる場合があります。
- ※本ページに掲載の「ANIVO|アニボ」に関する画像は、次のPR TIMES配信ディップ株式会社プレスリリースにて提供されたものです。
【参考】[PR TIMES]声を聞かせるだけで声優の名前と作品が分かる 「ANIVO|アニボ」の事前登録を開始(2020年12月23日)
~音声からAIが“発話特徴や感情”を解析、ポジティブにフィードバック~
今はコロナの影響によりWeb会議やオンラインミーティングなどの数が増加しているが、対面での会議に比べるとやはり参加者の反応が見えづらいことなどから、会議で自信を持って積極的に発言できなかったり、参加に心的ストレスを感じてしまったりすることも少なくない。
「R:EmoTalkie」は、そのような遠隔会議時の心的ストレスの軽減を目指して、音声感情解析AIを開発する株式会社Empathが開発、無償で提供している発話解析AIだ。利用方法は簡単で、マイク付きPC端末あるいはスマホから対応Webブラウザでサイトにアクセスし、スタートボタンを押せば測定が開始される。
「R:EmoTalkie」画面キャプチャ
Web会議のときに「R:EmoTalkie」をスタートしておけば、会議アシストの使用がオンの場合は会議中に発言を優しく促してくれるほか、会議終了後はAIが“発話特徴や感情”を解析して発言の良かった部分を抽出し、発話者に寄り添ったポジティブなフィードバックを返してくれる。
「R:EmoTalkie」解析結果画面
解析結果はほんわかした雰囲気でゆるく返してくれるので、厳密な結果で自身の発言の傾向を客観的に把握……とまでは実際はいかないと個人的には思うが、ポジティブなフィードバックを見ていると、何だか前向きな気持ちにきっとなれるはず。もしWeb会議の参加にストレスを感じているようなら、軽い気持ちで一度お試ししてみては?
https://remotalkie.webempath.ai/
~音声からAIが“感情”を分析して結果を表示~
「音声感情認識AI」は、株式会社ユーザーローカルが2020年11月19日から無償提供を開始した、ディープラーニングによって音声から感情を読み取るAI。こちらも利用方法は簡単で、マイク付きPC端末あるいはスマホから対応Webブラウザでサイトにアクセスし、数秒の声を録音あるいはWAV/MP3ファイルをアップロードするだけでOKだ。
結果は、大量の音声データをディープラーニングに学習させたAIが音声から感情を読み取り、「平穏」「幸福」「怒り」「悲しみ」「恐怖」「嫌悪」「驚き」の7感情に分類、それぞれの成分を数値化・グラフ化して表示してくれる。
「音声感情認識AI」結果画面
なお、ユーザーローカルのプレスリリースでは実験としてアニメやドラマの名せりふを試した際の結果が掲載されているが、アニメ映画『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎のせりふ「よもやよもやだ 柱として不甲斐なし」は、嫌悪35%と幸せ29%の感情を含んでいるとAIは判定したよう。
これが意外な結果か納得の結果かは人によって異なるだろうが、もしお気に入りのキャラや人物がいるならそのせりふを分析してみると、もっと理解度が深まる?かもしれない。
https://emotion-voice-ai.userlocal.jp/
【参考】声から感情を読み取る、音声感情認識AIを提供開始|株式会社ユーザーローカル(2020年11月19日)
~余談~
ユーザーローカルは、今回紹介した「音声感情認識AI」以外にもいろいろなAIツールを無償で提供中だ。
【関連記事】音声認識を使って起こしたテキストなどを整形/分析/活用したい、そんなときに役立ちそうな無料で使えるツール(2019.12.27)
また、ユーザーローカルもEmpathの「R:EmoTalkie」のような、Web会議で使用すればその会議での発話の感情を分析して結果を可視化してくれるツールも提供している。なお、このツールはユーザーローカルの強みを生かした、加えて文字起こしやテキストマイニングなども一緒に行えるという全部入り!システムだ。便利かつユニークなツールなので、近々改めて取り上げたいと思っている。