AI/音声認識関連の最新カオスマップ[2020-2021年版]

AI/音声認識関連の最新カオスマップ[2020-2021年版]

カオスマップは、特定の業界に絞ってサービスやプロダクトをカテゴライズして一覧化したもので、業界地図ともいわれている。今はさまざまな業界のカオスマップが存在しているが、ここではAI/音声認識関連のカオスマップをいくつか紹介したい。

各カオスマップは、それぞれの企業が独自調査を行い独自の視点で作成しているものであり、網羅性・正確性を保証するものではないが、カオスマップを見ることで業界のプレーヤー(企業、プロダクト)を俯瞰できるため、例えばリサーチ初期段階で業界の全体像を把握したい、新興企業を把握したいといった場合や、サービスの利用や検討をする側としてもより自分に合ったサービスやプロダクトを見つけたいといった場合などにチェックすると、きっと役に立ってくれるだろう。

【目次】

※本内容は、2021年6月20日現在の情報です。

AI開発会社/AIサービスカオスマップ

出典:AI Market(by BizTech株式会社) AI開発会社/AIサービスカオスマップ2021(2021年5月13日公開)

AIの導入や活用を支援するAI Marketが企業のAI活用を推進する立場から、独自の視点でAI開発会社およびAIサービスをカテゴリごとにマッピングしたカオスマップ(2021年版)。185のAI開発会社およびAIサービスを「受託等サービス系(左側3カテゴリ)」と「ツール系(右側8カテゴリ)」に分けて掲載している。

AI開発を支援する開発会社やAIサービスを提供する会社はここ数年で急激に増えてきているが、このカオスマップを見れば、AI市場におけるAI活用領域や、その領域にどういったプレーヤーが存在するのかを、ざっと把握できるだろう。

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音声テック(ボイステック)カオスマップ

出典:エピックベース株式会社 音声テックカオスマップ2020年版(2020年6月8日公開)

こちらは音声自動文字起こしサービス「スマート書記(※1)」の開発・運営を行うエピックベース株式会社が作成した、音声テックカオスマップ(2020年版)。「リモートワークに効く」という軸で5カテゴリを選定し、音声テック(ボイステック)のプレーヤーをマッピングしている。なお、掲載されているのは2020年5月末時点でリリース済みのサービスやプロダクトで、サービスロゴがあるものだ。2021年版は今のところまだ公開されていない。

※1:2020年7月から「Smart書記」→「スマート書記」に改められている。

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一方、次は音声に関するニュースや情報を発信しているVoice UI Mediaが作成した、ボイステック国内カオスマップ2020だ。こちらも上記と同じく音声テック業界のカオスマップであるが、こちらは業界を独自基準のジャンルに分けて、プレーヤーをマッピングしている。また、こちらも2021年版は今のところまだ公開されていない。


出典:Voice UI Media(by 株式会社ポップミーティング) ボイステック国内カオスマップ2020(2020年8月7日更新版 ※2)

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※2:カオスマップは「Updated:2020.07.15」となっているが、リリースのタイトル(※3)、リリースページに記載されている更新履歴、カオスマップの中身から2020年8月7日更新版とした。

※3:リリースのタイトルは「全75サービス【2020/8/06アップデート】」となっているが、カオスマップの実際の最終更新日は更新履歴とマップの中身から2020年8月7日で、掲載数も数えたところ75以上であるようだ。

カオスマップは、同じ業界に絞ったものでも、その作成時期や作成者の観点の違いなどから中身は必ずしも一致しない。カオスマップを見ることで業界の構造やどのようなプレーヤーがいるのかをイメージしやすくなり業界理解が進むが、そのまとめ方やどういうプレーヤーを取り上げているかということからは作成者の意図が感じられるものも多く、見比べるのも新しい発見があって面白いので、おすすめだ。

音声認識AIカオスマップ

出典:AIsmiley(by 株式会社アイスマイリー) 音声認識AIカオスマップ-2021年度版(2021年4月21日公開)

この音声認識AIカオスマップは、AIポータルメディアのAIsmileyが「音声認識AIを探したい」という方に向けて、独自の主眼で作成したもの。コールセンターを筆頭とした、業務におけるオペレーションのサポートを可能とする67の音声認識AIサービス・ツールが掲載されている。

音声認識AIとは、人工知能が人の声を認識して文字データ化したり、話者の感情や声の特徴を読み取ったり、より高い精度の音声検索を実現する技術の総称。このカオスマップでは、そのような技術を持った音声認識AIを大きく「業務効率化」、「感情認識・解析」、「異常検知」の3つに分類し、マッピングしている。

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議事録作成AIカオスマップ

出典:AIsmiley(by 株式会社アイスマイリー) 議事録作成AIカオスマップ(2021年3月8日公開)

こちらは先述の音声認識AIカオスマップと同じくAIポータルメディアのAIsmileyが作成した、議事録作成AIカオスマップだ。「議事録作成AIを試したい」という方から「議事録作成を行う最新のAIツールを探している」という方に向けて、独自の主観で26の製品サービスを取りまとめ、マッピングしたものとなる。

議事録作成AI(音声認識機能を活用した議事録自動作成のAIツール)は、議事録の作成をより効率的に行える方法として最近注目されているが、ツールによって機能や実現できる内容に違いがあるため、最適なものを見つけるにはそれぞれのツールの違いを十分に比較検討することが大切だ。

このカオスマップは、横軸に「リアルタイム文字起こし」、縦軸に「多言語対応/日本語対応」という2軸を設定しプレーヤーを配置することで、ツールの大まかな特徴が見ただけでイメージできるようになっている。なお、2軸で切った一般的なポジショニングマップではそのポジショニングに意味があるが、このカオスマップでは、その領域(区切り)に意味はあるが、プレーヤーのポジションに意味はないと思われる。

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居住用IoTサービスカオスマップ

出典:roomkit(by 株式会社MoguMe) 居住用IoTサービスカオスマップ2021年版(2021年1月22日公開)

この居住用IoTサービスカオスマップは、IoTコンシェルサービス「roomkit」を運営する株式会社MoguMeが、これからIoTサービスを利用したいと考えている個人や企業に向けて作成したもの。日本国内外で展開する居住用IoTサービスを分類したもので、掲載は日本国内で購入できるものを対象としている。

実際、スマートスピーカーやスマートホームに興味はあっても現在どのようなIoT家電やサービスがあって何を利用すればいいのかがよく分からないという方は、多いのではないだろうか。このカオスマップは、業界を俯瞰する際や、居住用IoT家電やサービスを探したいといった場合などに、役立ちそうだ。

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