あなたならどれが欲しい? Clova WAVE、Google Home、Amazon Echoの特徴と選ぶときのポイントまとめ

あなたならどれが欲しい? Clova WAVE、Google Home、Amazon Echoの特徴と選ぶときのポイントまとめ

今、何かと話題が絶えないスマートスピーカー。日本では先月にLINEの「Clova WAVE」とGoogleの「Google Home」が、今月はAmazonの「Amazon Echo」がついに販売開始となった。また、今後はGoogleアシスタントやAlexa対応のサードパーティー製スマートスピーカーの発売予定もあり、日本でもこれから一気に製品が増えていきそうだ。

今回はスマートスピーカーの概要と、日本で発売のLINE、Google、Amazonのスマートスピーカーについて、その特徴と選ぶときのポイントをまとめてみたい。

※本ページの掲載情報は2017年11月14日現在の内容です。また、価格は全て税込みです。

スマートスピーカーとは

スマートスピーカーはクラウドベースのAI音声アシスタントが搭載されたスピーカーで、LINEの「Clova WAVE」にはClova、Googleの「Google Home」にはGoogleアシスタント、Amazonの「Amazon Echo」にはAlexaが搭載されている。

音声アシスタントは現在スマホにも搭載されておりおなじみだが、話し掛けるだけでその問い掛けや要求に対して、音声アシスタントが回答や動作をしてくれる。例えば知りたいことを聞いたら答えてくれたり、音楽やラジオを流してくれたり、あいさつや簡単な雑談ができたり、いろんな操作を音声だけで行えるので便利だ。

スマートスピーカーは、音声で操作を行う機器なので基本的に画面はないものが多く、その機能のコアは音声アシスタントそのものにあるといえる。スマホではマイクの性能からあまり遠すぎるとうまく音声を認識できないが、スマートスピーカーはしっかりと音声を聞き取れるようマイクは高精度なもので複数搭載されているものがほとんどだ。また、部屋に設置して使うことが基本は想定されているので、バッテリーは内蔵されていないモデルが多い。

※バッテリーや画面が搭載されているモデルももちろんある。こちらのカオスマップでは搭載AI別にスマートスピーカーと関連デバイスが分類されているので、興味のある方は参考に。ちなみに、日本で発売の「Amazon Echo」は2nd(第2世代)だ。LINEの「Clova WAVE」はバッテリー内蔵モデルで、「CHAMP」と画面付きの「Clova FACE」も今後発売予定のよう。AppleのHomePodが日本でいつ発売されるのかも気になるところだ。
【参考】世界初「スマートスピーカー」のカオスマップを公開! 本日発表の「Amazon Echo」も掲載(2017.11.8 ロボスタ編集部)

日本発売のLINE、Google、Amazonスマートスピーカーの特徴

日本ではLINEから「Clova WAVE」、Googleから「Google Home」と「Google Home Mini」、Amazonからは「Amazon Echo」、「Amazon Echo Dot」、「Amazon Echo Plus」が発売されている(以下、これらのモデルを対象に話を進める)。

なお、Amazon Echoシリーズの購入は現在招待制だ。

どれが優れていておすすめかというのを決めるのは難しいが、それぞれのスマートスピーカーでできることや強みは異なるので、主な特徴を簡単にまとめる。なお、動画は各社が目指すスマートスピーカーのイメージとして捉えてほしい(ここまで実現するにはいろいろと環境を整えなければならないし、音声アシスタントもまだ成長する必要があるだろう)。

LINE Clova WAVE

「Clova WAVE」の主な特徴は、メッセージアプリのLINEに対応していること、バッテリーが内蔵されていること、赤外線リモコン機能の搭載で対応のテレビやエアコンといった家電を音声で操作できること、だろう。また、現在スマートスピーカーの会話は基本一問一答だが、コミュニケーションを重視しアップデートで連続会話(おしゃべり)が可能になった。

マイクは4つでノイズキャンセリング機能付き。音声アシスタントのClovaはLINEが独自開発したもの。音声認識については、音声入力から認識までに時間がかかる、認識精度があまりよくないといったレビューがちらほらと見られたが、年内に大幅なアップデートを予定しているという情報もある。

Google Home

「Google Home」の主な特徴は、日本語の音声認識精度が高いこと、ボイスマッチ機能により最大6人の声(アカウント)を登録・聞き分けることが可能なこと、Googleカレンダーや検索をはじめとするGoogleの各種アプリやサービスとの連携、が挙げられる。なお、「Google Home Mini」は低価格モデルだ。

マイクは2つでノイズキャンセリング機能付き。6人分のGoogleアカウントをひもづけることができ、自分の声を登録しておくとその声を聞き分けて例えば名前で呼んでくれたり、予定を聞いたときには自分のアカウントのGoogleカレンダーを参照して答えてくれたりする。テレビの音や他の人が話していても声をちゃんと聞き分けて認識してくれるところは、さすがGoogleといえるだろう。

Amazon Echo

「Amazon Echo」の主な特徴は、Amazonの各種サービスとの連携、スキルが豊富にあること、有線スピーカー接続が可能なこと、だろう。また、英語版ではMicrosoftの音声アシスタントであるCortanaとの連携が発表されているので、そのうち日本語にも対応してくるのではないかと思われる。なお、「Amazon Echo Dot」は低価格モデルで、「Amazon Echo Plus」はスマートホーム向けのハブが内蔵されているモデルだ。

マイクは7つでノイズキャンセリング機能付き。音声認識については、日本市場向けに1年間かけて日本語の音声認識を一から構築し、同音異義語の理解まで可能だという情報あり。実際の認識精度はどうなのか、気になるところだ。

※この中ではLINEの「Clova WAVE」のみバッテリーが内蔵されているが、海外ではサードパーティーから「Google Home」や「Amazon Echo」の外付けポータブルバッテリーが販売されているので、バッテリー内蔵モデルでなくても持ち運びは可能になっていくのかも。

※スマートスピーカーもスマホでいうアプリのような感じで機能を拡充していけるが、そのアプリに該当するものをAmazonとLINEは「スキル」、Googleは「アクション」と呼んでいる。Amazon Echoは外部サービスとの連携が進んでおり、数多くのスキルがあるのが強みだ。

スマートスピーカー、どの製品を選んだらいい?

それぞれに特徴があるのでどの製品を選ぶかは悩ましいところだが、まず選択肢の一つとして、標準価格とサイズで選ぶなら、「Amazon Echo Dot」と「Google Home Mini」が低価格かつ小型モデルとなる。

価格とサイズで選ぶなら
■Amazon Echo Dot:5,980円、直径84×高さ32mm、163g
■Google Home Mini:6,480円、直径98×高さ42mm、173g

ただし、現在はお得なキャンペーンあり。

※「Amazon Echo Dot」は、プライム会員なら現在3,980円。「Amazon Echo」は11,980円だが、こちらもプライム会員なら現在7,980円で購入できる。また、Echoシリーズの購入者を対象にしたAmazon Music Unlimitedのクーポンプレゼントキャンペーンも実施中。ただし、Echoシリーズの購入は現在招待制だ。

※「Clova WAVE」は14,000円だが、現在キャンペーンで「Clova WAVE+LINE MUSIC(12カ月)セット」が12,800円で販売中。LINE MUSICのプレミアムプランが960円なので、本体は実質1,280円で購入できるようになっている。さらにLINE SHOPPINGで購入すると20%のポイント還元キャンペーンも。本体が実質無料……超お得だ。

ちなみに、「Google Home」は15,120円。

AmazonもGoogleもモデルにおける一番の違いは基本的に音質だ。できること自体に特に大きな差はないが、本体の音質を重視するなら価格は高いが上級モデルのほうを選ぼう。なお、「Clova WAVE」の音質はいいというレビュー多し。

次に、購入後にカラーや素材をカスタマイズしたいという場合は、こちらの3つ。

購入後にカラーや素材をカスタマイズしたいなら
■Google Home:下部のベースを交換可能(3,000円~)、2素材・計3色
■Amazon Echo:カバーを交換可能(3,480円)、1素材・計3色
■Amazon Echo Dot:ケースを交換可能(1,580円~)、2素材・計6色

【Google Home:下部ベース】
現在Googleストア・Google Homeのベースページでは、ファブリック製のコーラル、金属製のカッパーとカーボンの3色がラインアップ中だ。

【Amazon Echo:カバー】
現在Amazonでは、ファブリック製のサンドストーンチャコールヘザーグレーの3色がラインアップ中だ。

【Amazon Echo Dot:ケース】
現在Amazonでは、ファブリック製のインディゴチャコールサンドストーン、レザー製のサドルタンメルローミッドナイトの6色がラインアップ中だ。

なお、かわいい見た目のスマートスピーカーが希望なら、今後発売予定のLINEのClova搭載「CHAMP」を待つのもありかも。ただ、今のところ発売時期は未定のようだ。

使用中のサービスや使いたいサービスに合わせて製品を選ぶ
現在使用しているサービスや使いたいサービスに合わせて製品を選ぶというのも選択肢の一つだ。例えば現在Amazonプライム会員で音楽や動画など各種サービスを使っているということならAmazon Echoシリーズがお得かつ便利に使えそう。Googleならスマホを含めたGoogleの各種アプリ・サービスとの融合・連携がメリットだし、音声アシスタントとのおしゃべり(連続会話)やメッセージアプリLINEへの対応を重視する場合や、赤外線リモコン機能を使いたいなら「Clova WAVE」がいいだろう。既に使用している音楽や動画サービス、スマートホームデバイスなどがあるなら、それに対応しているとスムーズに連携できる。

今後の進化の可能性を重視して選ぶ
初めの部分で「その機能のコアは音声アシスタントそのもの」と述べたが、スマートスピーカーは音声で操作するので、音声認識の精度・音声アシスタントの賢さと進化はとても重要な要素といえる。そしてスマートスピーカーは買った後もスキル・アクションの追加や本体ファームウェアの更新によりどんどん成長していく。今後の進化の可能性を重視して選ぶというのも選択肢の一つだ。

今の音声アシスタントは、音声の認識はできてもその文章の解釈能力はまだまだ進化の途中だ。特に日本語の音声認識は英語よりも遅れている。これはまだどのスマートスピーカーでも同じだが、言った内容をうまく認識してもらうには、ちゃんと認識できるよう人間のほうが言い方を合わせなければならない。受け答えはまだシナリオに依存する部分が大きいのだ。

とはいえ、それらは大量の用例から日々学習されコマンドリストに反映されていくので、学習が進めば進化していく。そう考えると巨大なクラウド企業であればあるほど有利で、その点ではやはり大量のデータが集まるGoogleが一歩先を行くのだろう。実際に「Google Home」を使っていても知らないうちに挙動が変わっていることも多く、まさに日進月歩だ。

そういう意味で進化のスピードなども考慮すると「Google Home」がおすすめといえるのかもしれないが、個人的には日本語でのAlexaとCortanaの連携も気になるところ。この連携がうまくいけば「Amazon Echo」はビジネス面もカバーできるようになり、さらに便利になっていくことだろう。

進化のスピードは違うかもしれないが、どのスマートスピーカーもできることは増えていき、便利になっていくことは確かだ。「Clova WAVE」もアップデートで徐々にできることが増えている。そう考えると、結局は自分の好みや今のお得さで買ってしまうというのも、選択としてはありだと思う。

ちなみに、これ以外にもオンキヨーやソニーなどからGoogleアシスタント搭載スマートスピーカーが近々発売される予定(オンキヨーからはAlexa対応スマートスピーカーが現在招待制だが既に発売も)。例えば音響へのこだわりであったり、防水性が高かったり、各社のこだわりが反映されたプラスアルファの機能を持つものになる。それらの購入を検討するのもありだろう。

また、海外には「Clazio」というAlexaを搭載かつOSがAndroidなのでGoogleアシスタントも音声で呼び出せる、という製品も。まだ日本語には対応していないし、日本での使用は技適の面でどうなのかは不明だが、将来的にはAlexaもGoogleもCortanaも、さらにはSiriも1台で使えるようなスマートスピーカーが出てくると面白いなと思う。

さて、あなたならどれが欲しい?

次回は「Google Home」を実際に数週間使った上でのレビューと、スマートスピーカーライフを楽しむために知っておきたいことなどをまとめる予定だ。