今回はメンタルケアやセルフモニタリングに生かせそうな音声認識アプリや音声入力可能なアプリを紹介する。
今は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不安やストレスを感じている方も多いと思うが、過度なストレスは心だけでなく体の健康にも悪影響を及ぼしてしまう。ため込まないように、ストレスとうまく付き合っていこう。
【目次】
1. 声からストレス度合いを計測、モニタリングしていけるライフログアプリ
・MIMOSYS(ミモシス:Mind Monitoring System)
・脳タコ – 声でストレスチェック
2. 気分ログ・日記・生活記録など、メンタルケアに役立つライフログアプリ
・メンタル日記 ~AI内蔵の記録管理ツール~
・KibunLog:気分ログ日記
3. 心のモヤモヤを吐き出せる、ストレス解消に役立つアプリ
・愚痴聞いてよ!タンバリン(Tanbarin)
・ストレス解消・癒やしのアプリ「聞いてよ!クマさん」
※本内容は、2020年3月31日現在の情報です。
※ここで取り上げたアプリは、病気を治療したり診断したりするものではなく、日頃から健康や未病を意識し、関心を持ってもらうことを目的としたものです。
ストレスとうまく付き合っていくには、自分の心の状態や傾向を知ることが重要。自分がどの程度ストレスを抱えているのかを自身で把握できれば、メンタル疾患に陥る前に予防も可能になる。アプリを使えば、気軽に簡単な操作で自分の状態をモニタリングしていけるのでお勧めだ。
ここでは声からストレス度合いを計測し状態を可視化してくれるアプリを2つ紹介するが、これらに共通して言えるのは、日常的に計測することで自らの心の状態や傾向を把握できるようになるということ。その日の数値に左右されるのではなく、まずは自分の平均値を知ることから始めて、その平均値をベースに数値の高低を判断していくといいだろう。
声帯の不随意反応に着目し、声の周波数の変動パターン等から心の状態を分析する。話している声から「元気圧(今の心の元気さ)」と「心の活量値(最近2週間の心の元気さ)」を計測し、心の状態や傾向をメーターと図やグラフで表示してくれる。
予兆検知としては「心の活量値」の傾向を見ることが大事で、心の活量値は一定の値を保った状態が望ましい。この値がだんだん下がってきた場合は要注意だ。
【上】iPhone画面スクリーンキャプチャ【下】Android画面スクリーンキャプチャ。iOS版は現在Ver3.0.1で、定型文録音モードのみで解析が可能。Android版は現在Ver3.1.0で、自由発話での録音解析のほか、通話解析※も可能。なお、iOS版とAndroid版では結果表示も少し異なる。
※通話解析は機種固有の相性によってうまく動作しない場合があるよう。アプリ内の注意書きにあるようにバッテリー最適化からアプリを除外して試してみても、自分の機種ではうまく動作しなかった。
【アプリ情報】Android:4.2以降。iOS:12.2以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。価格:無料。
≫ MIMOSYS(ミモシス)|音声から病態を判別する技術|PST株式会社
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表示された朗読文を約10秒間読むことで、発話音声分析エンジンが声を分析し、EIS値(人間の大脳新皮質の活性度に相関すると考えられている特徴量、ストレス値)を表示する。直近1週間と過去のEIS値の分析結果をグラフで確認できるほか、ストレスチェックの際に現在の状態を選択できるので、どの状態のときにどの程度のストレスを感じているのか、その傾向も知ることができる。
EIS値は低ければ低いほど疲労やストレスがたまっている傾向にあるといえるが、個々人により平均値は異なるため、日常的に活用して自分のEIS平均値を知ろう。こちらもEIS値がだんだん下がってきた場合は注意したい。
iPhone画面スクリーンキャプチャ。脳タコでは現在の状態と紐づけたストレスチェックが可能だ。なお、アプリ利用にはメールアドレスの登録※が必要となる。
※「+」などを含んだメールアドレスは登録できないので注意。
【アプリ情報】Android:4.1以降。iOS:8.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。価格:無料。
≫ 脳タコで音声を分析してストレスチェック – 貴方の声で日々のストレス状態をチェックして心身健康の予防に役立てましょう!
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今の気分などメンタルや生活に関することを記録しておくと、自分がどういうときにストレスを感じるのかなどを知る手掛かりになり、ストレスコントロールがしやすくなる。アプリなら思ったときにすぐ記録しやすいだけでなく、前日や1週間前のデータの見返しが簡単にできたり、続ければ統計データをグラフ等で見ることができたりするので、お勧めだ。
記録はもちろん毎日つけられればいいが、記録できなかったということも貴重な一つのデータになるので、完璧を目指す必要はないと思う。それよりも長く続けることが大事。続けることで客観的かつ中長期的に自分の状態を把握できるようになる。今はいろいろなアプリがあるので、記録が習慣化できそうな自分に合ったものを見つけよう。
Androidに対応、複数ユーザーのメンタルケアが可能なカレンダー型の日記アプリ。独自開発の感情を予測するAI、EPA(Emotion Prediction Analysis)が内蔵されており、気分を音声で入力すると、声からその時の感情をAIが分析してくれる。主観以外に第三者の評価(声から分析された感情結果)を知ることができるのが面白い。
まずは主観で気分を5つのアイコンから選択する。気分を声で話す(録音する)と、AIが声から感情を分析し、結果を喜・驚・普・哀・怒の割合とアイコンで示してくれる(真ん中の画面。上のアイコンが主観)。
【アプリ情報】Android:8.0以降。価格:無料。
≫ Android版日記アプリ「メンタル日記」リリースのお知らせ – NEWS | ZAIZEN
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iOSに対応、感情を細かく分類して記録できる気分ログアプリ。気分カテゴリはデフォルトで19項目が用意されているが、編集や新規追加もできるようになっており、自分に合わせてカスタマイズできるところが素晴らしい。なお、気分は言葉でも記録できるが、テキスト入力が面倒なときは音声入力を使うと便利。そのほかソーシャル機能もあり。
1日にあったいろんな感情を分けて記録できる。気分カテゴリのほか、入力日時も自分で設定変更可能※という柔軟さがあるので、後からまとめての入力にも対応可能だ。
なお、「予定」カテゴリは自分で作ったものだが、メモは未来に対しても入力できるので、スケジュールや仕事管理(目標や達成)などと紐づけた気分ログ管理としても使えるように思う。
※バージョン2.6.0で対応。
【アプリ情報】iOS 9.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。価格:無料(アプリ内課金あり)。
≫ 感情コントロールをサポートするKibunLog
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※Androidは英語版のみ(日本語版と機能も異なるよう)
過度なストレスは心だけでなく体の健康にも悪影響を及ぼすため、ため込まないよう適度に発散・解消したいところだ。自分に合った解消方法が分からないという場合は、今はさまざまなストレス発散・解消に役立つアプリがあるので、自分に合いそうなアプリを探してみてはどうだろうか。
例えば誰かに話を聞いてほしいけど言えずに抱え込んでしまう、イライラやモヤモヤした気持ちを思うままに全部吐き出したいといったときには、次に紹介するような、相手を気にせずに思いをぶつけられるアプリを使ってみるのも一つの手だ。
思い切り愚痴りたいときや、誰かとちょっとやりとりしたいとき、独り言に相槌が欲しいときなど、いつでもボットキャラたちが応えてくれる。やりとりはチャット形式だが、設定でキャラの発声をONにしておけば、キャラたちが声でも答えてくれる。こちらが答えるときも、テキスト入力の際にキーボードのマイクを押して自分の言葉を音声で入力すれば、会話している気分を味わえる。
ボットなので受け答えはまだちょっと適当でかみ合わないときはあるが、お気に入りのキャラだけや楽器の音で応えてくれる楽器キャラだけとのやりとりにすることも可能。親身になって相談に乗ってほしいときには合わないかもしれないが、自分のメンタルに合わせていろいろと設定を変えながら使っていけるのがお勧めのところだ。
iPhone画面スクリーンキャプチャ、ピンクはタンバリンモード、オレンジはタイコモードのとき。個人的には、キャラが発声する機能を有している、履歴が残らない、キャラを選択できるところがいいと思う。
【アプリ情報】Android:4.1以降。iOS:10.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。価格:無料(アプリ内課金あり)。
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iOSに対応、紙に悩みや相談を書いてクマさんに渡すことで、ストレス解消につなげるアプリ。思ったことや聞いてほしいことなど、何でも紙に書き出してみよう。書き出した紙は、クマさんをはじめ森の動物たちがスッキリ解消してくれる。個人的にはキツツキさんにつついてもらう方法が好きだ。
紙に書く方法はテキスト入力でもいいが、思いを吐き出したいときはキーボードのマイクを押して自分の言葉を音声で入力すれば、よりスッキリすることも※。履歴を残す設定にすると日記のように振り返ることができる(パスワードの設定もできる)ので、メンタル日記として使うのもありだろう。
※他のアプリでもそうだが、音声入力については、気分によってはうまく認識してくれなかったときに逆にストレスを感じてしまうこともあるので、その時の気分によって使い分けるといいと思う。
絵本のような世界観やアニメーションにも癒やしの効果ありだ。
【アプリ情報】iOS 9.0以降。iPhone、iPad、およびiPod touchに対応。価格:無料(アプリ内課金あり)。
≫ ストレス解消・癒やしのアプリ「聞いてよ!クマさん」公式サイト
≫[App Store]iOSアプリをダウンロード