最後のアプリ編では、過去エントリー「音声認識を使ってテープ起こしを効率的にする、現在の個人的おすすめ(1)」で紹介したアプリについて、現在のサポート状況・対応OS等を調査したので、その結果をまとめる。
※本ページの内容は2018年10月20日現在の情報です。
【2018年10月23日追加情報】音声認識ソフト「AmiVoice SP2」は、2018年12月31日で残念ながら販売終了になりました。サポート終了は2020年3月31日予定です。
【参考】(公式HP)音声認識ソフト「AmiVoice® SP2」販売終了のお知らせ
【アプリ編 目次】
Dragon Dictation、Swype Keyboard、音声認識装置
音声認識メールクラウド
アプリ編まとめ
「Dragon Dictation」、「Swype Keyboard」、「音声認識装置」は、音声認識で有名なニュアンス・コミュニケーションズ(以下、ニュアンス)の音声認識エンジンを採用したアプリ。その認識精度の高さから評価も高く人気があったが、ニュアンスが開発/提供していたDragon DictationとSwype Keyboardは、2018年10月現在、残念ながら提供が終了している。
【参考】指なぞり入力の「Swype」、NuanceがiOS/Androidともに提供終了へ(2018/02/20)
Anfasoftが開発/販売している音声認識装置は、現在もまだ提供中のようだが、2015年3月18日(iPad版の音声認識装置HDは2017年2月28日)からアップデートされていないので、最新のOSに対応しているかどうかは不明。また、自分の機種で今は動作したとしても、OSのアップグレード等で使用できなくなる可能性はかなり高い。アプリは有料だがキャンペーンで無料のときもあるので、今は使いたいなら無料のときに入手したほうが後悔はないと思われる。
【提供開始】2013年 【開発/音声認識エンジン】Anfasoft/ニュアンス 【音声認識】クラウド 【価格】有料(無料キャンペーン不定期であり) 【対応OS】iOS 7.0以降(iPad版HDはiOS 8.0以降) ※ただし最新OSに対応しているかどうかは不明 【最新バージョン】1.4.1(iPad版HDは1.5.0) 【App Store】音声認識装置、音声認識装置HD
購入するなら自分の使いたい機種で正常に動作するかを事前に確認したいところだが、トライアル版はない。また、App Storeの音声認識装置アプリの情報「デベロッパWebサイト」、「Appサポート」のリンク先は、ページの内容が空の状態。App Storeのページを見る限り、問い合わせ先など不明で、サポートのほか今後のアップデートも期待できそうにないので、2018年10月現在、このアプリの購入については、この辺りも含めて検討することをおすすめしたい。
【参考】アプリノ 音声認識装置 レビュー(最新順)
以前は高評価だったアプリだが、現在はOSバージョン等によって正常動作していない場合も多くありそうだ。
音声認識メールクラウドは、日本における音声認識のパイオニアであるアドバンスト・メディアが開発/販売している音声入力アプリ。2015年12月には音声認識エンジンをリニューアル(DNNを採用)し、認識率の向上を実現している。アプリの提供開始は数年前になるが、今もアップデートやサポートは必要に応じて行われているので、その面でも安心して使えるアプリだ。
【提供開始】2010年(前身となる「音声認識メール」は2009年) 【開発/音声認識エンジン】アドバンスト・メディア 【音声認識】クラウド 【価格】有料(将来バージョンで利用期限付きになる予定あり) 【対応OS】iOS 9.0以降 【最新バージョン】4.2.6(2018年6月29日アップデート) 【App Store】音声認識メールクラウド
アプリは、バージョン4.0.0(2015年12月21日アップデート)で音声認識エンジンがリニューアル、新音声認識サーバへ移行したため、動作可能iOSバージョンはiOS 8.0〜になった。そしてバージョン4.1.0(2017年1月10日アップデート)でiOS 8のサポートは終了し、iPadではSplitViewに対応した。2018年10月現在、最新バージョンは4.2.6(2018年6月29日アップデート)で、アプリの動作可能iOSバージョンはiOS 9.0以降となっている。
アドバンスト・メディアの音声認識メールクラウドは、認識精度が高く、辞書(単語登録)や音声コマンド使用も可能と便利なだけでなく、サポート面でも安心できることから、今も引き続きおすすめのアプリだ。
ニュアンスの音声認識エンジンを採用したアプリとしては、音声認識装置は現在あまりおすすめとはいえない状況だが、他だと「アクティブボイス!」というiOS対応の音声入力アプリが現在も更新されている(有料、Tensift Software開発/販売、最新アップデート2018年9月22日)。このアプリを実際に使用したことはないが、ニュアンスのエンジンなので認識精度は悪くないだろう。ただ、使い勝手の面では少し好き嫌いが分かれるようだ。
Androidについては、Swype Keyboardは提供終了となってしまったが、サービス編3で紹介したGoogleの音声認識採用の「Speechnotes」にはAndroid対応アプリ(同名)がある。また、同開発元提供の「Speechkeys smart voice keyboard」もGoogleの音声認識を採用したアプリでマイクオンでの連続した音声入力ができるが、こちらはキーボードアプリで、エディタを選ばず音声入力が可能だ。そのほか、キーボードアプリでは「Simeji」が現在AndroidとiOSで音声入力にも対応しており、認識精度も高い。
アクティブボイス!とSpeechkeys smart voice keyboardは基本有料(Speechkeys smart voice keyboardは無料試用期間あり)。
音声入力アプリは専用エディタで音声入力する形のものが多いが、キーボードアプリは希望のエディタに直接音声入力できるところが魅力。その良さを生かして、例えばGoogleドキュメントのようなスマホとPCで同期できるドキュメントに対してスマホで音声入力していけば、並行してPCでは修正といった起こし方も可能になる。その際Speechkeys smart voice keyboardのような連続した音声入力が可能なキーボードアプリを使えば、いちいちマイクをオンにしなくていいのでスムーズな文字起こしが可能だ。
自分は最近専ら上記(環境は違うが)のようなスマホ+PCという起こし方をしているが、この方法だと音声入力と修正を並行して行えるので、慣れると効率的な文字起こしができる。今はさまざまなアプリやサービスがあり、使い方や工夫次第で以前より楽に文字起こしをすることも可能になってきているので、興味がある方はぜひいろいろと試してみては。音声認識を使ってテープ起こしを効率的にする方法は、また内容を更新してまとめたいと思っている。