「録音音声の書き起こしができる製品・サービスが新登場、その実力やいかに?」
2013年11月、録音音声の書き起こしができる製品・サービスが新たに登場した。「Voice Rep Pro(ボイスレップ プロ)」(株式会社GING)と「VoXT(ボクスト)」(株式会社アドバンスト・メディア)だ。
■Voice Rep Pro(株式会社GING)
「Voice Rep Pro」は、録音音声の書き起こし機能が付いた音声認識ソフト。音声認識ソフトの有名どころとしては「ドラゴンスピーチ11」や「AmiVoice SP2」があり、これらのソフトでも録音音声の書き起こしができるが、特筆すべきは「Voice Rep Pro」がGoogleの音声認識サービスを活用しているという点。よって、事前の声の登録は不要。そして、音声認識の精度は日々進化しているといえる。
価格はハイグレード版である「Voice Rep Pro」で8,800円(税込)と比較的廉価。ワープロ機能を搭載し、変換結果の編集・整形・印刷といった作業を行うことも可能。また、自動句読点付与機能や数値表記変換機能なども搭載されている。気になる人は無料体験版もあるので試してみては。
主な特長は次のとおり。
※Googleの音声認識エンジンを採用した音声認識ソフト
※事前の声の登録は不要、音声認識の精度は日々進化
※マイクからの音声認識、音声ファイルからの文字化、どちらも可能
※ワープロ機能を搭載、変換結果の編集・整形・印刷などが可能
※価格はハイグレード版で8,800円(税込)と廉価、無料体験版あり
■VoXT(株式会社アドバンスト・メディア)
「VoXT」は、音声認識のパイオニアであるアドバンスト・メディアから登場した新サービス。先に挙げた「AmiVoice SP2」という同社の音声認識ソフトは有名だが、「VoXT」は音声認識技術(AmiVoice)を活用したクラウド型のテープ起こしサービスとなる。
イメージとしては、専用アプリケーション(無料)をダウンロードし、音声ファイルをアップロードすると、自動でテキスト化処理が行われる。変換後、専用アプリケーションでは音声を聞きながら文章の編集やキーワード検索を行うことも可能。「VoXT」はクラウド側で音声認識機能を提供するため、こちらも先に挙げた「Voice Rep Pro」同様、今後の音声認識精度の進化が期待できる。
料金は月額完全従量制の「基本プラン」で音声認識1分あたり30円。月額2,000円で2時間まで音声認識が利用できる月額定額従量制の「お得プラン」もある(2時間を超えた部分については1分ごと30円の従量課金)。無料登録を行うことで2週間は1時間までの音声認識を無料で試用できるのもうれしい。
主な特長は次のとおり。
※録音音声の自動文字化に特化したサービス
※自社開発の音声認識技術「AmiVoice」を活用
※クラウド型のテープ起こしサービスより音声認識の精度は日々進化
※文字起こし専用アプリケーションは無料で利用可能
※音声認識を使った分だけ支払いができる従量課金制(月額定額従量制もあり)
※無料登録すると2週間は1時間までの音声認識を無料で試用可能
音声認識の精度も上がりその機能が身近になってきた今、テープ起こしも音声認識で楽にできるんじゃないかと思っている人は多いだろう。今回紹介したこの2製品・サービスについても、そんな可能性を感じるものであることは確かだ。
例えばGoogleの音声認識サービスはスマホやChromeブラウザでその認識精度の良さを実感したことがある方も多いと思うが、残念なのは、スマホなどでは連続音声の文字化そして録音音声の自動文字化はできないということ。だが、「Voice Rep Pro」はGoogleの音声認識エンジンを用いた連続音声の文字化と録音音声の自動文字化を実現している。また、「VoXT」もあのアドバンスト・メディアのサービスということで、その認識精度と実用性が気になるところである。
ただ、以前「音声認識で楽にテープ起こしをする方法とは」という記事でも取り上げたように、実際のところICレコーダー等の音源は音声認識に向いていないため、音声認識によりテープ起こしで依頼されるような録音音声を書き起こすのは基本的に厳しいように思う。
音声認識で楽にテープ起こしをする方法とは
https://8089.co.jp/onsei-ninshiki/189
実際、現在いろいろとこれらを少し検証しているが、やはり注意書きにもあるように、どの音声も起こせる、というものではない。とはいえ、音声認識の精度が日々進化する環境は、今後の可能性を感じられる。また、「Voice Rep Pro」では優れた音声再生機能とワープロ機能、「VoXT」ではテキストと連動した音声データ、またキーボードのみでの音声の再生・早送り・巻き戻し等の操作が可能など、そのツール等だけでもテープ起こしに生かせるかもしれない。
次回からは「Voice Rep Pro」と「VoXT」について、赤裸々にレビューしたいと思う。よければまたアクセスしてみてほしい。
次回に続く