経験者インタビュー

Y.K.さま (50代女性、キャリア8年、年収約100万円)

「達成感の積み重ねと面白さがありますよね」

旦那さまと高2、中2のお子さまと4人で郊外にお住まい。商業高校を卒業後、アパレルを経て精密機器メーカーに所属し端末での入力業務に従事。育児が落ち着いてから通信教育でテープ起こしを学び、リライターとしての活動を開始。
「テープ起こし作業のための自己投資」、「出張起こしのお仕事」などについてもお聞きしました。

-このお仕事を知ったきっかけを教えてください。

精密機械メーカーで端末入力をずっとやっていたのですが、ある日突然「テープ起こしという特殊な仕事なのですが、お願いできますか」と言われたのが最初のきっかけでしたね。 やったことも聞いたこともなかったのですが、3日間特訓を受けまして。 その後、正規の仕事の段階になって初めて「テープ起こしとはこういう世界なんだ」というのを知ったのです。その時は2週間くらいしかやらず、ちょうど出産して退職したので、それっきりでした。

-どういう経緯から、実際に仕事として始めることになったのですか。

育児が一段落ついたときに「テープ起こしの通信講座」をチラシや雑誌でよく目にするようになりまして、それで「取りあえずこの講座を受けよう」と。これが課題もとても多くてなかなか大変だな、と思ったのですが、最後までなんとか乗り切って修了することができました。一生懸命やっても修了までに6カ月かかりましたね。それで講座をやり切った後に「これで本当に仕事があるのかな」と思ってインターネットで見た時に、ここの東京反訳さんがもうバンッと出てきたので取りあえず応募しまして。

-なぜ「テープ起こし」を選んで、通信講座を受けたのですか。

出産後に家庭に入りましたが、「仕事には戻りたい、何かしたいな」というのはありましたので。ただ、その時には40後半だったので、世の中の求人票を見ていても事務系はもうほとんど募集がありませんでした。時間的にも融通が利かないので、なかなか合わない。「3時まで」と言われても、幼稚園が2時半だったり、1時だったり、決まっていないわけですし。事務しかやったことないから、このお仕事を選んでラッキーだったと思います。

-「ラッキー」だったとは?

ええ。ここに応募したこと。巡り会えたことがとてもラッキーでしたね。 自分はコツコツ、黙々とやるタイプなので、性格的にもとても合っていました。

-タイピングが得意でも、聞いたものを打ち出すのはまた別の苦労がありませんでしたか。

そうなんです。最初は「聞き取って、それを打つ」というのは結構大変なんだと。やってみないと分からないというのが結構ありましたね。講座を受けて準備はしていたものの、「聞いて起こす」というのは実際には少しずつ仕事をいただきながら勉強したのが実態ですね。

-タイピングだけではなく、聞き取る能力が必要ですね。

そうなんです。私の大きな課題でもありますね。 聞こえない時には、かすかに聞こえる部分からネットで検索していきます。検索結果5ページくらいまで見ると、固有名詞だったら見つかることが多いですね。ただ、その一言だけを追いかけるよりは、全体でちゃんと整っていることを大事にしています

-聞き取る能力を上げることはできるのでしょうか。

見たことのある、聞いたことのある知っている言葉なら、聞こえてきますね。 ですので新聞には目を通すようにしています。あとはネットのニュース、日経のニュースやコラム、経済の一般常識のような記事に目を通します。 新聞は内容に重みがあってよいのですが、新聞の種類によっても思想が若干異なりますので、あまり信じ切ることはせずに広く浅く見るようにしています

-聞き取れて、よく起こせた時のやりがいのようなものがありますか。

そうですね。とても細かいところなのですが、探していた言葉が見つかった時などに「これか!」と面白みを感じることがありますね。 あとは私にとって難しい案件だったり、全然やったことのない領域の案件を「取りあえず自分なりに精いっぱいやって終わった」という時の達成感はいいですよね。精度はお客さまに判断いただくとしても、できる限りやった時は自分の中で達成感がありますね

-テープ起こしの面白さをその辺に感じると。

そうですね、その達成感。それから言葉は悪いのですが、その業界をのぞける感じで自分の未知の領域を浅く知ることができる点も興味深いですよね。社会、人間模様を垣間見るような感じですね。

-仕事をする上で、気を付けていらっしゃることはありますか。

まず姿勢ですね。あと自分にあった機器を選ぶこと。机の高さ、椅子の高さ、モニターの高さ、キーボードの種類。 私はいつも「マイキーボード」を持ち歩いていまして、今度マウスも持って行こうかなと思っています。マウスもコピペを何件もやったらヒクヒクして、けんしょう炎になってしまいましたので、自分に合ったものを使おうと考えています。

-キーボード機種によって違いがありますか。

もう全然違います。私は東プレ株式会社のRealforceというキーボードを使っているのですが、キーボードタッチが本当に軽くて、しかもストローク感がしっかりある。2万円くらいするのですが、疲れにくいですし元が取れる感じがしますね。 あとはキー配列も自分が慣れているものにしています。かな入力でShiftキーをよく使いますので。ちなみに持ち歩き用のキーボードは、ダイヤテック株式会社のFilcoです。

-イヤホンなどはどうでしょうか。

イヤホンも「高いものはいいだろう」と思っていたのですけれども、実は自分にとってはそうではなかったですね。高音域、中音域がクリアに聞こえるイヤホンを選んでみたら、言葉のしゃべる音がクリアで聞きやすかった。意外にも1,000円台のイヤホンでしたね。 だからいろいろと試すのもありですよね。サウンドボードの違いだと思うのですが、パソコンによっても若干音域が変わるので「これは聞こえないな」と思ったら違うパソコンで再生してみたりして。デスクトップのパソコンだと聞こえないけど、ノートでやったら聞こえた、とか。ヘッドホンも変えたりしてあれこれと。

-その他に品質を高める工夫はおありでしょうか。

Wordの「表記ゆれチェック」機能などは便利ですね。文章が整っているかの確認に利用しています。それから基本だと思うのですが、聞き直しをしていますね。「これはちょっと心配だな」という仕上がりのときには、2回、3回と聞き直すこともありますね。再生スピードは1.5倍くらいにアップして聞きますが。それで最後に読み直しを行います。

-高い品質を維持していくために、心がけていることはありますか。

気分転換は大事だと思います。作業の途中で家事をしたり、体を動かしたり。今、掃除機かけてからやろう、とか。洗濯物を取り込んでから打とうとか。だから自宅で自分のペースでできるというのは、すごく自分に合っていますね。 ただし小さい子どもが家にいるとしたら、集中できなくて打ち込みミスが出たりしてしまうかもしれないので、私には難しいかもしれません。

-確かに、お仕事を再開されたのは育児が一段落ついてからですね。

そうですね。集中してできないといけませんし。それに働きに出るとしても、子どもの帰宅時間が早かったり熱を出したりすると「仕事場に迷惑を掛けるのではないか」というストレスでドキドキしてしまいますので。家でこうやって仕事ができるのはそのストレスがありませんので、自分にはとてもいいですね。

仕事の責任感

-お話をお伺いしていますと、お仕事に対する責任感がとても強いと感じます。

仕事のやりとりでの人としてのマナーは最優先、大前提ですね。あいさつ、マナー、礼儀。約束の厳守、契約を守る、納期を守る。それから連絡ですね。トラブルを察知して前もって相談、昔でいうホウレンソウ。 家で仕事をしているとはいえ、やはりメールや電話でのやりとりはありますので。お仕事としての責任感は必須だと思っています。

-2008年に東京反訳に登録いただきましたが、この8年間いかがでしたでしょうか。

ここで一緒にやっている、といっても社員ではないのですが(笑)、居心地は最高ですね。 スキルの部分は本当に最初は大変でした。今も足りない部分がいっぱいあります。努力はしているのですが、もし「1つの入力ミスでいくらか引く」という業者さんだったら、とても厳しいことになってしまうと思います。東京反訳さんでは納品できたことに対する報酬は保証していただけますので、それはとってもありがたいですね。もちろんそれに甘んじてはいけないのですけれども。

-東京反訳の仕組みで、「これはいいな」というものはありますか。

12月から3月の納品に足していただける「繁忙期割増」はありがたいですね。あれは素晴らしい。支払いも1カ月後で早いですし。繁忙期割増は立ち上げ当初からの仕組みだと思うのですが、これだけリライターの人数が増えると会社として大丈夫なのかな、というのが私としては心配。もらえるのはうれしいのですけれども、人数が増えた分、全部に行き渡らせるのは大変だろうなと。でも、本当にありがたい仕組みですね。

-忘年会などのイベントにもお越しいただいていますか。

はい、行きますね。やっぱりこの仕事は孤独なんですよね。誰とも話さないじゃないですか。東京反訳さんとのやりとりもメールだけだと「ちょっとしゃべりたいな」って。「どういう人かな」って。 それから、同じ職種のリライターの方の様子も見て「すごい人がいっぱいいるな」と感じて毎回刺激になります。

-イベントなどの交流の場は息抜きになっていますか。

この仕事は機密性が高いので、なかなか人にしゃべれない特殊な職種ですよね。もちろん詳しい内容の話はできないのですが、「この間、大変でね」「疲れたのよー」というような話を共感できたり、「すごいよね」という仲間意識を共有できたりするイベントの場は貴重ですね。

-1週間のお仕事の割合をお教えください。

だいたい週5日、1日8時間くらいやりますね。フルタイムでやるくらいは、毎日起こしています。通勤時間がないのが助かりますね。 理想として「土日は休もう」と考えているのですが、つい自分のペースでやるとだんだん週末に詰まってきまして、土日にかかってしまうことも多いですね。自分のペース次第、工夫次第だと思っているのですが。

-だいたい、週にどのくらいの時間を起こせるのですか。

1日にだいたい45分から50分をやれる感じですので、そうすると週にだいたい4時間くらいでしょうか。繁忙期は少し増えたりしますので、もう少し頑張ります。

-収入は103万円、いわゆる扶養の範囲内を意識されていらっしゃいますか。

ええ、もちろん。私は扶養内なので。でも、今年はちょっと超えてしまうかもしれませんね。うれしいことなのですけど。でも、今はそれがかなり精いっぱいのところですかね。

-扶養の範囲内ということで、金額を意識してお仕事を受けていらっしゃる感じですか。

私はちょっと一般的ではないかもしれませんけれども、お金はあまり考えないというか、あまり細かく金額にこだわってはいないですね。やっぱりこの仕事自体が好きで。だからお仕事をした後にお金が入って、「これ、こんなに単価が良かったんだ」と思って「こんなにもらえた」って感じで「うれしい」っていう。金額に関しては後からうれしいなって思う感じですね。

-忙しい時期、暇な時期で収入の変動がありますでしょうか。

私は多少変動はありますけれども、ありがたいことに普段から結構定常的にお仕事をいただけています。繁忙期は作業中の案件がかなり重なってしまうこともありますけれども、 仕事が無くて困ることはないというか、間が空かないように自分からコーディネーターさんにコンタクトを取っていますね

-「私、今、空いてますよ」と。

そうです。「空いてます」「またお願いします」って。そういう働き掛けをすることで、自分である程度調整させていただいています。

-ゴールドプランも対応いただいていますよね。客先に出向いて起こす、というお仕事の良さはありますか。

良いところは社会勉強になることと、お手当がいい点ですね。一般の企業の中に入るわけですから、専業主婦という顔を一度完全に脱いで、頭をビジネスモードに切り替えるようにしています。毎日ではなく、たまに通勤という格好になりますので、それがとっても体にはいいかな、と感じています。

-さっきおっしゃっていた気分転換ですね。

あまり大きな声では言えないんですけど(笑)。1週間フルで出かけると、今度は家のほうがまとまりませんので、かなり忙しくなってしまうなと思います。たまにということでよい刺激になっています。 うちの主人も、私が鬱々としているよりはいきいきというか、やりがいを感じているのがいいみたいですので。まあ私はラッキーですね。

-実際に今出張して起こしていて、不都合はありませんか。

そこは東京反訳さんがもう全てセッティングしてくれていますから、大丈夫です。とてもうれしいですよね。私たちのためにわざわざセッティングして環境を作ってくださっていますので。

東京反訳スタッフより

今回は大変お忙しい中インタビューのお時間をいただき誠にありがとうございます。またいつもプロフェッショナリズムを持ったお仕事をしていただいておりますこと、厚く御礼申し上げます。Y.K.さまの生活スタイルや、仕事の進め方などを見て、多くの方がこのお仕事に興味を持っていただければと考えております。またリライターさまが不安なく作業を進めていけるよう、当社も日々尽力してまいりますので、今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。

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