色とりどりの花が咲き誇り、春の訪れを深く感じる頃となりました。また、さまざまな新しい始まりの季節でもありますね。
さて、ワーカーの皆さまに年に一度お願いをしております「2025年委託先情報セキュリティーチェックリスト」ですが、実施時期が近づいてまいりました。昨年同様、本実施前に事前チェックシートを発信し、ご自身の環境をチェックいただけるようにしたいと考えております。本実施の際には、回答期間内にご回答いただきますよう、お願いいたします。
また「2025年ワーカーさま研修会」を5月22日(木)に実施する予定です。
セキュリティーチェック、ワーカーさま研修会の詳細につきましては、どちらも4月初旬にお知らせする予定ですので、ワーカーらしんばん内「お知らせ」をご確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。
寒暖差のある時期ですので、皆さまどうぞお身体を大切にお過ごしください。
※次号は4月号(4月10日発信予定)です。

■目次

■はんやくんのへや
文字起こしにまつわることや、ワーカーさまに知っておいていただきたいことを掲載していきます。
■セキュリティーコラム
セキュリティーにまつわるニュースでワーカーさまに関わりそうなこと、ご確認いただきたいことをピックアップしてお届けします。
■のがみんLabo
クオリティー推進部の野上より、役に立ちそうな情報を発信します。
■掲示板
お知らせにも掲載している内容や、継続してご確認いただきたい内容を掲載します。

はんやくんのへや

起こし箇所の指定がない場合で発話開始、あるいは発話終了後に1分以上の無音がある場合のタイムコードについて

起こし箇所の指定がない場合のタイムコードについて、通常は起こし始めのタイムコードは発話の開始に、起こし終わりのタイムコードは発話の最後に挿入します。

今回は発話開始まで、あるいは発話終了後に1分以上の無音がある場合の記載方法をお伝えします。
このような場合は、お客さまから音声全音の料金をいただいているため、原稿内に音声の状況を記載する必要があります。
そのため、以下のような表記といたします。
なお、音声が重なって聞き取れない場合などは、無音ではなく、<発言が重なり聞き取り不能>としてください。


タイムコード
無音部分や休憩などがある場合の処理
映像がある場合の処理
も参考になさってください。

セキュリティーコラム

郵便局配達員が顧客情報を持出 – 誤配対策のため私物スマホで

顧客情報持ち出しと聞くと悪用のためと思われがちですが、このケースでは誤配送防止のために持ち出したとのことです。これはどの仕事にも言えることですが、たとえミス防止のためであっても、顧客情報の持ち出し及び私物スマホやPCへの保存は禁止です。品質向上策とセキュリティー対策は時に相反することもあるかもしれませんが、ぜひ安全第一で作業をお願いいたします。
Security NEXT:2025/1/16:郵便局配達員が顧客情報を持出 – 誤配対策のため私物スマホで

151 社から189 件 ~ 2024年 日本の上場企業情報漏えい

記事には「漏えい・紛失した可能性のある個人情報は累計1億8,249万人分」と記載されています。現代では個人情報を完全に守るというのは不可能なのかもしれません。しかし、だからといって対策を放棄するのは悪手でしょう。個人情報はどこかしらから漏れることを想定し、商業サービス等では必要以上の情報を登録しない、クレジットの明細は必ずチェックするなど、堅実な対策を取っていくことが大切だと思います。
ScanNetSecurity:2025/2/1:151 社から189 件 ~ 2024年 日本の上場企業情報漏えい

「セキュリティー10大脅威2025」 – 「地政学的リスク」が初選出

普段は対策の優先度が下がりがちな地政学的リスクですが、今回「地政学的リスクに起因するサイバー攻撃」が10大脅威として選出されました。昨今、大規模な震災も記憶に新しく、それに便乗した犯罪も起きています。震災に対する備えももちろんですが、サポート詐欺はじめ混乱に乗じた犯罪等の二次被害にもご注意をお願いいたします。
Security NEXT:2025/1/31:「セキュリティー10大脅威2025」 – 「地政学的リスク」が初選出

のがみんLabo

生成AIを活用した検索についての考察

当社のご依頼している業務には、文字起こしをはじめとして、データ入力や翻訳などインターネット検索をする業務が多々あります。
文字起こしの作業を例に取ると、音声の聞き取りにくさに加え、専門用語や固有名詞などを正確に把握する必要があります。
多くのワーカーさまは、Google検索をメインに利用されているのではないでしょうか。

しかし昨今「Perplexity AI(パープレキシティ エーアイ)検索」や「ChatGPT search」など、生成AIを用いた検索活用が一般的になりつつあります。

当社では原則として、お客さまから預かった音声データ・入力データ・翻訳データなどを、生成AI等の外部ツールに直接アップロードすることを禁止していますが、検索ツールの一つとしては無視できない存在だと思っております。

そこで今回は、「生成AIを活用した検索のメリット」と「生成AI検索を活用する際の注意点」について整理しました。

生成AIを活用した検索のメリット

■生成AIを使った検索とは?

生成AIを使った検索は、キーワードだけを入力する従来の検索方法とは違い、自然な言葉で質問したり相談したりすることで、必要な情報を見つけ出す方法です。文字起こし業務で例えると聞き取れなかった言葉を探す時に役立ちます。

■具体的な検索事例(文字起こし業務の場合)

1. 前後の文脈から意味を推測する
聞き取れなかった言葉の前後にどんな言葉があるかを生成AIに伝えると、その文脈から可能性の高い言葉を提案してくれます。

例:医師が「この治療法は●●●が高いので推奨します」と言っています。●●●にはどのような用語が入るでしょうか。
→ 生成AIに聞くと「効果」「成功率」「安全性」などの可能性を教えてくれます。

2. 似た発音の言葉を探す
聞こえた音だけを伝えて、それに近い言葉を探してもらうことができます。

例:「セマ…」という言葉が出てきましたが、IT関連の話題でした。セマを含むIT用語を教えてください。
→ 生成AIが「セマンティック検索」「セマフォ」などの候補を提案してくれます。

3. 専門分野を指定して検索する
話題の専門分野を伝えると、その分野でよく使われる用語を教えてくれます。

例:法律の話で「ケイ…」という言葉が出てきました。どのような用語が当てはまるでしょうか。
→ 生成AIが「刑事罰」「刑法」「契約」などの可能性を提案してくれます。

4. 質問形式で検索する
「〇〇について話していた時に聞き取れない言葉があった」という形で質問すると、関連する専門用語のリストを提示してくれます。

このように、生成AI検索は文章の前後関係を理解しながら単語やフレーズを補完したり、あいまいな用語から推測して答えを出すことが得意です。
従来の検索では、入力するキーワードを自力で推測する必要がありました。生成AIを使えば、「この文脈で出てきそうな単語は何か?」と問いかけるだけで候補が提示され、そこからの検索が容易になります。手動検索よりも短時間で、より正確な情報にたどり着ける可能性が高まります。

今回、文字起こしを主軸にお話をしておりますが、他の業務であっても応用できるのではないかと感じています。

しかし、生成AI検索には大きなリスクもあります。使い方を間違えると、事実に基づかない誤った情報が検索結果に出てくる「ハルシネーション」が起こったり、機密情報が漏えいしたり、セキュリティーリスクが発生しますので、利用には注意が必要です。

生成AI検索を活用する際の注意点

■情報漏えいのリスク

・AIに学習されない設定をする
生成AI検索を使用する際は、入力データがAIの学習データとして蓄積される場合があります。
よって、学習されないようにする最低限の設定をする必要があります。

・重要なデータは入力しない
当社からお渡しする作業データや、作業データの内容を直接入力しないでください。
機密情報や個人情報を入力すると、AIの学習データとして蓄積されるだけでなく、サービスを提供している事業者のログに情報が残り、内部不正や外部攻撃で漏えいするリスクがあります。

■検索結果内容のリスク

・AIの出力する検索結果を100%信用しない
AIが事実と異なる情報(ハルシネーション)をあたかも本当のように出す場合があります。
同じ質問でも毎回異なる回答になることがあるため、一貫性が保てない場合もあります。
これらの特性があることを十分に注意して、検索結果が正しいかどうか、二重チェック(裏取りやファクトチェック)が重要になります。

■実際の情報漏えい事例

・大手電子製品メーカーの事例
従業員が開発中製品のソースコードの修正をChatGPTに依頼し、プログラムコードが外部に流出してしまった事例があります。

・ChatGPTのバグによる履歴流出
ChatGPTシステムのバグにより、ユーザーの会話(検索)履歴が他のユーザーに表示されてしまったという事例があります。

何度も言いますが、当社からお渡している作業情報は、機密情報です。くれぐれも情報漏えいに注意してください。

生成AI検索の具体的な初期設定方法

今回は、「Perplexity Ai」と「ChatGPT」の無料版を用いて、初期に設定をしておいたほうがよい項目を記載します。
必ずしも、この設定だけですべてのリスクを回避することはできませんが、やっておいたほうが格段にリスクを低減することができます。
また、有料版を利用することによって、さらなるセキュリティー向上が見込めますので、よく利用される方は検討してみてはいかがでしょうか。

■「Perplexity AI」の設定方法

・Perplexity AIとは(https://www.perplexity.ai/)
Perplexity AIは、2022年8月に設立され、同年12月に最初のサービスをリリースしたアメリカ合衆国のAI企業です。カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置いています。元Google AI研究者らによって開発された対話型AI検索エンジンで、インターネット上の最新情報をリアルタイムで検索し、情報源を明示しながら質問に回答します。

・AI学習されない設定をする方法
AIデータ保持をオフにすることによりPerplexityにAI学習をされないように設定できます。

・インコグニート(シークレットモードのようなもの)を利用する方法
インコグニートモードでは、ユーザーの検索履歴が保存されず、匿名で検索が可能になります。プライバシーを重視する検索時に便利です。

■「ChatGPT」の設定方法



・ChatGPTとは(https://chat.openai.com/)
ChatGPTは、アメリカ合衆国のOpenAI社が開発した対話型AIチャットボットです。OpenAIは2015年12月にサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏らによってサンフランシスコで設立されました。ChatGPTは2022年11月30日に一般公開され、わずか5日間で100万人、2カ月で1億人のユーザーを獲得した革新的なサービスです。自然な会話形式でユーザーの質問に回答し、文章作成やコード生成など多様なタスクに対応します。

・AI学習されない設定をする方法
すべての人のためにモデルを改善するをオフにすることによりChatGPTにAI学習をされないように設定できます。

・一時チャット(シークレットモードのようなもの)を利用する方法
プライバシーを重視するユーザーに最適で、通常のチャットとは異なり、会話履歴が保存されず、AI学習にも使用されません。※ただし安全上の理由から、チャット内容は最大30日間保存される可能性があるとのことです。

具体的な設定方法動画

ChatGPT(一時チャット).mp4

まとめ

・生成AI検索をうまく活用すれば、業務の効率化につながるがリスクも大きい。
・リスク回避のため「機密情報を入力しない」「AIが誤った情報を出力するリスクを知る」「安全に使うためのルールや設定を活用する」ことが重要です。
・今回は2つの生成AI検索について記載しましたが、他にもいろいろなサービスが存在します。各サービスを使う上でどのようなリスクが存在するのか、利用規約や、操作説明をしっかり確認することが大切です。

※当社では必ずしも、生成AI検索の利用を推奨している訳ではございません。新しいサービスには新たなリスクが存在することを認識していただきたいため本記事を書いております。ご利用の際にはよく調べた上でご自身の判断で利用いただきたくお願いいたします。

おまけの情報

現在ソフトバンクのスマートフォンを利用していると、1年間「Perplexityの有料プラン」が無料で利用できます。
対象は「ソフトバンク」「ワイモバイル」「LINEMO」のユーザー限定とのことです。ご興味がありましたら利用してみたらいかがでしょうか。

https://www.softbank.jp/mobile/service/perplexity-ai/
申込期限:2025.6.18まで

掲示板

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今後も引き続き、作業いただいた案件で調べた言葉のうち、皆さまにも共有したほうがよいと思われた用語について、
ぜひ登録していただければと思っております。
※出典の記載に、Wikiや個人ブログ、個人ページはNGです。
用語集の使い方については、こちらのマニュアルをご確認ください。
用語集操作マニュアル_ver1
今後もワーカーの皆さまがお仕事しやすい環境を整えていきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。

情報処理技術者試験取得者奨励金【申請方法について】

対象の試験の合格証書をお持ちの方を対象に、情報処理技術者試験取得者奨励金を支給しております。
少ない奨励金額にて恐縮ですが、資格取得費用の足しにしていただければ幸いです。
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